廣木 隆一監督 KADOKAWA
久しぶりに映画館に行きたくなったので。
まずタイトルが秀逸!これだけで惹かれました。あと門脇麦さんが出てて、この人私はまだ「二重生活」しか見た事ないけど、ちょっと器の大きさにやられましたので気になってました。
時間軸をずらして行う群像劇で、基本的に好きな見せ方だし、悪くない。けど、悪くないだけで、飛び抜けてイイという所が無かったように思います。
2013年の私(橋本愛)は10年間東京で過ごしてきたけど何もなく地元に戻ってきてフリーのライターをしている。一緒に仕事をするカメラマン(村上淳)に今日これから同級生のサツキと一緒に高校の頃の憧れの存在であった椎名(成田凌)くんに会いに行く話しをしたところ、一緒に行くことになり・・・というのが冒頭です。
説明されないのですが、ちゃんと理解出来る形に仕上がっていて、その点は評価したいです。いわゆるタランティーノ作品のような編集の妙があります。しかも群像劇ですので、この人は誰?的な部分はたしかに最初の頃はありましたけど、その後は全然なくなりスムーズに観れます、そういう意味では上手いです。
特に気になった役者さんは、まず不思議な魅力の椎名くんを演じる成田凌さん、初めて見ましたけど、悪くない!もう少し高校生の頃の場面での華やかさがあってもイイと思うけど、後半の疲れた無精ひげな顔はなかなか良かったしカッコイイです。村上淳さんはホント演技自然になりましたね。あとは正直それほど惹かれる役者さんがいなかった・・・家庭教師の先生はあまりフレームに収まる感じがしなくて小池栄子さんに見えた、というかそうだと思っててテロップで名前出てなくてびっくりしました。朝子役も、もう少し存在感に重みが無いと、この映画の中で唯一の〇〇進出成功者としての感覚が出ない感じがしました。しかも妹という存在感も出さねばならないので、難しいけど。
あと、門脇麦さんの魅力が全然伝わらない感じで、すっごく勿体ないと思います。この手のキャラクターにはめ込んでみたくなるのも理解は出来るけどキャスティング的に橋本愛さんを主役にしていて、奔放なキャラに門脇麦さんを当てるのはちょっとどうかと思うんです。このストーリィの中で当てはめるんなら、なっちゃんか朝子だと思う。また、叫びのシーンも、あの続きをこそ見てみたかったです。しかも、門脇さんの場面だけ引きの絵が多くて、ちょっとそれも・・・
また、登場人物が唄をよく口ずさむんだけど、ココ物凄く重要な場面なので、もう少し丁寧に、何故口ずさみたくなったのか?が分かるようにしないと、すっごく取ってつけた感じになってしまって残念だと感じました。車でかかる音楽にも、相当気を遣っているのは理解できるけど、それよりも、口ずさむ事の方が何倍も気を遣うべき瞬間でカタストロフィが生まれるはずなのに!
茜色の夕日はもちろんいい曲なんだけど・・・
あと、新保くんの渡辺大知さん、最近見た「勝手にふるえてろ」もそうなんだけど、悪くないけど、どうしても、もうひとつ何かが欲しい感覚になってしまう。今回も悪くないです。が突き抜けたベストアクトを1度見てみたい。
また、ファミレスでガールズトークを繰り返す2人組は、本当に必要だったのかな?私がこういうのが全然共感出来ない人間なんで、そう感じてるんだとも思うけど、最後の最後にアレを出すためにだけ、に出してるキャラクターな感じがして残念だと思う。原作あるようなので、そちらでも同じような人物が出てくるんでしょうか?
あと、プールのシーンのきらびやかさは良かったけど、これ、プールの水の量の演出が素晴らしいと思いました。これ思いついた人スゴイ!ものすごい多幸感が出ますね!私はこのプールシーンで思い出したのは「そうして私たちは、プールに金魚を、」です。
最後に、いつも思うんですけど、仮にこのキャスティングが本当になりたったとして、まず好みの問題もあるけど、橋本愛さんが全くモテないって描写は本当に飲み込めない。サツキ役の人は似たようなのがいるとしても、橋本愛さんはちょっといないでしょう?それが1番飲み込みにくいんですよね。このキャスティングで行くなら、もう少し化粧がダメとかなんかマイナス要素を入れないと、と思ってしまいます。だからこそ、このキャスティングだと片山 友希さんが目立ちます。それはもちろんマキタスポーツさんの演技にも助けられてるんでしょうけれど。マキタスポーツさんの演技をちゃんと見たのはこれが最初なんですけれど、ホント良かったです、スゴイですね!
若手の俳優陣に興味のある方にオススメ致します。
[…] 原作があり、同じ原作者の映画で廣木隆一監督作品「ここは退屈迎えに来て」(の感想は こちら )を見ていますが、こちらの作品にも門脇麦さんが出演されていて、こちらはもうひとつ […]