井の頭歯科

「ダウンサイズ」を見ました

2018年11月9日 (金) 08:57

アレクサンダー・ペイン監督        パラマウント

アレクサンダー・ペイン監督作品は3つしか見ていないんですが、中でも「サイドウェイ」(の感想は こちら )と「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」(の感想は こちら )がかなり好きな作品だったので、見に行かなきゃ、と思ってたんですが、主演がマット・デイモンで・・・私なんでか、マット・デイモンがあんまり好きじゃないんですね。

あ、ここからマット・デイモンさんに対して(またそのファンの方に対して)非常に不快な表現になってしまいます事を先にお詫び致します。マット・デイモンさんご本人(日本語は読めないと思うけど)とそのファンの方は読まないでいただけると幸いです、すぐに終わらせます。

最初に観たのは「グットウィル・ハンティング旅立ち」でして、なんか鼻持ちならない役な上に、脚本でご自身が入ってるって、いくら何でもそれはやり過ぎではと感じてしまいました。主人公に感情移入してれば心地よいかもですけど、どうしてもなんか鼻につきまして。以後「チェイシング・エイミー」、「プライベート・ライアン」、「トゥルー・グリット」、「エリジウム」とみる映画で全て、なんだか鼻持ちならない役だなぁ、と感じてしまい、だんだんと顔まで嫌味に感じてしまって・・・1番スカッとする役だったのが「インター・ステラ―」のイイ人そうに見えて実は、で留飲が下がっただけで、後はあんまり好きじゃないんですね。だから「オデッセイ」も観なきゃなぁとは思いつつ、まだ未見です。1度、時間をかけて何で嫌いなのか考えてみたんですけど、やっぱ顔なんじゃないかな、という結論です、はい自分の顔を物凄い上空の棚に上げての発言です、自覚しています。すみません。でも、なんか鼻持ちならないんですね、すみません。←大事な事なので2度謝っておきました、許してね。

悪口終了。

なので敬遠してたんですけど、「2018年見逃し後追い作品その2」として見ました。見て良かったです。

人類を人工的に13cm(およそ1/8サイズ)に出来る技術が発明され、人口増加の世界的危機を脱する技術としてもてはやされてから数年後。アメリカに住む作業療法士であるポール・サフラネク(マット・デイモン)はストレスフルで貧困ではないものの、妻オードリー(クリステン・ウィグ)が住みたいと思える家に住めるという願いを叶えられるよう、ダウンサイズを行って資産を増やす決意を固め・・・というのが冒頭です。

アレクサンダー・ペイン作品ですから、小さくなること、が主眼じゃなく、もっと大変哲学的なストーリィになっています。小さくなる事に興味がある方は良く知らないけど「アントマン」とかを見ればいいと思います。

小さくなって、裕福になり、働かなくなった人々の生活が大変見事に描かれていますし、その代表格を演じるクリストフ・ヴァルツが、大変下卑た笑いをするのがもう似合い過ぎて最高です。名前を間違える笑いも最高ですし、重大な決断を下す最終場面での、大変アメリカナイズされたオプティミストぶりも最高です。今作の最後の決断、私はその決断を、強く支持しちゃいます。

割合最初で明かされる、まぁヒドイ選択をオードリーがするんですけど、その際の理由が本当にありえそうで、すっごく笑ってしまいました。うん、ヒドイ。

そこから流れに流されていくポール(マット・デイモン)が本当にイイ意味で笑えます。大変誇大妄想的な判断を下すシーンと、それをクリストフ・ヴァルツに「彼はだいたい反対の結果を得る」的に見透かされてるのも、すっごく良かったです。

あと、アメリカ人には8つしかないアレが本当に凄く笑いました。

それでいて、人生の生きがいを扱った作品。いつも通り大変アレクサンダー・ペイン監督作らしいとしか言いようがないです。

アレクサンダー・ペイン監督作品が好きな方に、あと、生きてる意味を考えてみたくなった方にオススメ致します。

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