カール・チベッツ監督 Netflix
ダークなオリジナルオムニバスシリーズのブラックミラーのシーズン2を観てしまいました。やらなければならない仕事がたくさんあるのに現実逃避してしまいました・・・しかし、観て良かった大変良質な作品だと思います。1シーズンに1つは、大変面白い作品が含まれています、特にシーズン2ではこの「White Christmas」が飛び抜けてクオリティが高く、脚本が練られていて面白かったです。
外界から離れたとある小屋に暮らす2人の男、5年も暮らしているのにほとんど話しをしなかったこの2人の男が、クリスマスに始めて話し始めます。マシュー(ジョン・ハム)は全く喋らないジョーに向けて、自分の昔の話しを語りはじめるのですが・・・というのが冒頭です。
素晴らしく練られた脚本だと感じました。そして映像のクオリティもとても高いですし、これは映画館で流しても問題ない作品だと思いますね。作風で最も近いと感じたのは、日本んの映画監督今 敏作品です。現実の底が抜けるかのような、リアルな感覚の溶解を味わえる作品。ですが、何も知らずに観ていただくのが最も効果的な鑑賞方法だと思います。
ネタバレは避けての感想ですけれど、自我とは何か?という大変哲学的な問いかけへの思考実験作品とも言えます。大変恐ろしい話しでもありました。
ブラック・ミラー シーズン2 の1話 『Be Right Back』はかなりヘンテコなお話しでした。イングランドの田舎と思われる場所に引っ越してきたマーサは、突然交通事故で夫アッシュを失うのですが、というのが冒頭なんですけれど、とても女性的な感覚があれば、ヘンテコに感じないのかも知れませんが、自ら起こしたアクションの結果を、責任を回避しているように和他私には感じてしまい、もう一つでした。
第2話『White Bear』も設定的にはかなり飛躍している作品です。何の説明もないままに、ある環境に陥れられる女性を扱った作品なんですが、最後の最後に、これまで見ていた作品のある側面を見せつけられ、大変驚愕はするんですけれど、何かもうひとつ腑に落ちないんです、すごく、驚かせようと思った、というだけで、理由が無いんです・・・これもちょっと残念でした。
第3話『The Waldo Moment』は、青いクマのアニメーションキャラクターの中の人、補欠選挙に出る事になってしまったウォルド―の悲哀を描いた作品で、これもとてもクオリティは高いのですが、最後の最後とCIAはちょっとやり過ぎてしまった感があります。ですが、政治風刺モノとして面白かったです。
ディストピア映画が好きな方にオススメ致します。
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