デヴィッド・ミショッド監督 Netflix
本当はアップリンク吉祥寺で観たかったのですが、既に年末関係の仕事がいろいろ滞っていて、映画館がとても遠い存在です・・・仕方がないので、Netflixで観ました。これも2019年公開映画ですね。
15世紀初頭、イングランド。ハル(ティモシー・シャラメ)は奔放に暮らす青年です。お酒を飲み、怠惰な生活を送っているのですが、そこに父親が危篤との知らせが来ます。それでも父に会おうとしないハル。その父とはヘンリーⅣ世、イングランド王なのですが・・・というのが冒頭です。
いやー、初めて見ましたけれど、確かにティモシー・シャラメ、美しい造形してますね。髪の毛が長い方がかっこよかったのに、割合すぐに短くカットされてしまうので、もう少し観たかったです。が、ショートにしてもカッコイイ。いつも思いますけれど、カッコイイ人は何を着ても、何も着なくても、だらしない恰好であっても、カッコイイものです。だから私はファッション関係が苦手です、どうにか見た目を良くしようと無理しているような気分、欺いているような感覚があります、もともとダメな人が着飾ろうとするのがよりダメな結果を生みそう、と思ってしまうんです。ま特に私がですけど。それよりは着心地とか機能性の方が信頼できる気がします。ジョセフ・ゴードン=レヴィットさんがどんな服を着てもカッコイイのはそういう事だと思うんです、特に映画「メタルヘッド」ではアンダーウェア1枚の姿を見れますけれど、本当にカッコイイんです、あ、もちろん好みの問題もあると思いますけれど。
カッコイイというのはそれだけで価値があります。
しかし、この映画、その他のキャラクターが、すっごく弱い。そしてストーリィも、分かるようで、分かりません・・・あまりに当たり前の事実や歴史を扱っているのでしょうけれど、日本人の知識の浅い私には、何が何だか、という感じで、常に頭の上に?が乗っかっていました。いろいろ調べてみても、どうももうひとつはっきりしないストーリィです。
父ヘンリーⅣ世が、何をして、どうしてこうなったのか?また、何故ハルがここまで疎まれたのか?の説明は、ちょびっとされますけれど、良く分かりません。こちらの教養の問題とは思いますが・・・また幕閣の面々の、認識がいまひとつ出来なかったのも、私の問題だとは思うんですけれど、どうも良く分からなかった・・・
それでも、確かに美術にもお金はかかってますし、装置も、お金かかってます。そういう意味で頑張ってはいると思うんですけれど、いかんせんストーリィがどうにも飲み込みにくかったです。ハルがすっごくブレてしまうような気になりました。
史実とも違う面があるようで、シェイクスピアを原作に取り入れているようです。ですが、とにかく、基本的にハル1人のための映画として、出来上がっているのに、そのハルの造形、演じているティモシー・シャラメの美しさは光りますが、この人物の取る行動が、凄く一貫性が無いように、見えます。父との確執の原因がはっきりしないのは歴史的な知識の無さが原因でこちらの問題としても、彼の統治の正しさを指し示す事柄が、言葉だけで示され、その上反対派に対する処罰が、父への反抗の理由とは全く違う苛烈なモノである事、隣国の皇太子の贈り物に過剰に反応するのはおかしい、私は父とは違う、と言いながらも、次第に父よりも過激になっていく様が、評価の別れるところでしょうか。
ネタバレは無しの感想なので詳しく言及出来ないんですけれど、ラスト近くに、ある人物から諭される場面からの、ハルの行動は、私にはさっぱり理解出来ませんでした・・・
だがしかし、とにかく、アイドルのようにティモシー・シャラメを愛でる、という意味において突出した作品。
ティモシー・シャラメが好きな方に、オススメ致します。
コメントを残す