クリント・イーストウッド監督 ワーナー・ブラザーズ
今劇場でやっているイーストウッド監督作品「リチャード・ジュエル」を観に行きたいんですが、ちょっと風邪をひいてしまい・・・大人しくしているので、Netflixにて、イーストウッドの前作を見ていなかったと思いだしたので、観ました。相変わらず、イーストウッド節の映画です。流石、というべき部分もありますし、またか、という部分もあります。
百合の花の園芸家で一角の人物と評されているアール(クリント・イーストウッド)は、一人娘の結婚式をすっぽかして百合の品評会に出席しています。周囲の人々にも一目置かれ、まんざらでもない様子です。が、インターネットの発達によって・・・というのが冒頭です。
とてもオーソドックスな映画。こういう作品が好きな人からは、とても評価されると思います。そして、ハードボイルドな漢(と書いて、オトコ、と読むタイプの)の人にとってさらに心地の良い映画になっていると思います。ですが、イーストウッドの映画、その上質さ、はさらに深まっていると思います。
これは毎回、いつもいつも、いつも思う事ですが、監督であるクリント・イーストウッドの、イーストウッド性なるものを凝縮させているので、まぁ、アール=イーストウッドに感情移入して『酔って』観れる人には、サイコーの映画体験になると思います。本当に元気で、漢の子な映画。でも、確かに良い作りで、とてもシンプルな強さがあります。
しかし、私はどうしても、結局のところ、クリント・イーストウッドは絶対に損なわれない世界の話し、なのが鼻についてしまいます。許されざる者なんだけれど、イーストウッドだけ、は、許される話しなんです。家族にも、そして自分の名誉にも。
好きに生活し、家庭を顧みなかった男の、許される話し。うん、2020年になったけれど、やはり男の人にはハードボイルド(的なるもの含む)は必要だし、女の人にもハーレクインロマンス(もちろん、的なるもの含む)が必要ですし、それぞれそういう部分を許せる、大人な対応をしたいし、そうなりたいですね。
久しぶりに聞いた「on the road again」が懐かしいです。
でも、私はやっぱり、イーストウッド作品は「センチメンタル・アドベンチャー」だと思ってます。まぁもちろん、大変ロマンティックな映画ですけれど、最近のイーストウッド作品よりも、負けを認める、強さがあって、そこがいいです。
そういえば「センチメンタル・アドベンチャー」にも息子が甥っ子役で出ていますが、娘役が、本物の娘ですし、イーストウッドはたしか何回も結婚していて、息子や娘だけでなく、当時付き合っている女性を映画のヒロインに抜擢(というか・・・)する、大変実人生と映画のコミットが強い作風です。もちろん、偉大な映画監督で、偉大な役者である事は当然ですけれど。同じ年の映画監督として、アレハンドロ・ホドルスキー監督と、フレデリック・ワイズマン監督がいるのが、不思議な繋がりを覚えます。3者3様の映画監督ですが、どなたも偉大。最も一般的に名前が知れているのはイーストウッド監督でしょうけれど・・・
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