井の頭歯科

「彼らは生きていた」を観ました

2020年3月24日 (火) 09:15

ピーター・ジャクソン監督     ワーナーブラザーズ

まだサム・メンデス監督「1917」を観れてないんですけれど、どちらかと言えば、私はこっちが好きなのと、近所のアップリンクで上映してくれているので、観に行きました。

第1次世界大戦から100年が経過している現在ですが、イギリスの資料映像、または退役軍人のインタビュー音声を基に、その当時の映像に(同時録音する事がまだ出来なかったので無音なので)インタビューを乗せ、さらに、現代の技術革新にて、カラーフィルムとなった、いや、とてもリアルなカラー映像となった映画です。

原題は「THEY SHALL NOT GROW OLD」彼らは年を取らない、という感じですが、この邦題は悪くないと思います。

とにかく、モノクロフィルムがカラーになる瞬間が物凄く衝撃的です。これは見ていただくしかないと思います。

確かにヒドイ戦争ですし、塹壕戦ですから、大変長期化しますし、そこに当時の近代兵器を用いていますので、死者の数も、かなり多くなります。

しかし、最前線とは言え、そこで兵士である人々の生活もあるわけです。この生活部分をカメラは捉えていますので、その部分の生々しさが、これまで見てきた戦争映画の、どんな作品よりも、リアルです、当たり前なんですけれど。

イギリス軍の話しですから、彼らの生活と戦争が映し出されているのですが、兵士たちは、とても若く、下は16歳から、18歳と偽って戦争に参加している方が多くいて、この点もショッキングです。

そして、一応に、画面に出てくる兵士たちの『歯』が大変悪くて、その点にばかり気をとられてしまいました・・・本当に歯科の進歩を、強く意識させられる、これまでこんなに意識させられた映画は無かったです。是非歯医者さんは観に行くべき、そして歯学部学生さんも観に行くべき。

インタビュー音源も大変貴重なもので、死と隣り合わせの日常であるが故、強い仲間意識と、その仲間が死んでいく場面に遭遇し、それでも生きて帰ってきた人の話し、重みを感じずにはいられません。

物凄くリアルな体験の出来る映画ではありますが、私は、個人的には、少々フィルムの使いまわし部分には気になるものがありました。兵士のインタビューの発言に際して、その言動と似た部分の映像を、そして足りない部分は当時のイラストや新聞紙面を使うのですが、これが少々あざとい気もしました。

モノクロがカラーになっただけなのに、ここまでリアルに感じるとは思いませんでした。多分3D技術を使っているのもあるんだろうとは思いますが、とにかく凄い体験の出来る映画です。

特に印象的なセリフで、帰還兵が感じた疎外感に関するインタビューは、一聴の価値あり、です。

戦争、という悲惨な事象に興味のある方、そして歯に携わる仕事を持つ人に、強くオススメ致します。

“「彼らは生きていた」を観ました” への1件のコメント

  1. […] 戦争モノの「彼らは生きていた」を観てしまったので(の感想は こちら )、ついその手のモノを探してしまいますが、これもその一つ。ジョン・ヒューストン監督がアメリカ軍から依 […]

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