溝口 健二監督 大映
私にとって多分、初の溝口健二監督作品鑑賞です。
琵琶湖近くにある村で農民でありながら陶芸で儲けを考える源十郎(森雅之)、その妻宮木(田中絹代)と暮らしています。源十郎の妹を妻にする藤兵衛(小沢榮)は農民でありながら、武士に憧れていて、身分制度を超えたいと考えています。そんな村にも戦国の世の波が押し寄せて来て・・・というのが冒頭です。
恐らく民話や伝承を基に編纂されている原作の雨月物語を現代(公開時の1953年当時、と言う意味です)の人々に伝わるように作られていると思います。2020年の現在から考えると、なかなかに厳しい世界です。
モノクロですけれど、異常に心に残ります。日の光の素晴らしさ、屋内の蔵さ、ろうそくの炎の温かみなど、モノクロでなかったらここまで際立たなかったであろう印象があります、当時はカラーフィルムが無かったとしても、です。
上手いというよりも完成度の高さを、感じます。構図が凄く心に残る作品。
個人的には宮木、この田中絹代がすさまじい。この実在感が恐ろしい・・・この女優さんはどこかで観てると思うのですが、もう少し追いかけてみたいです。
なるほど名監督ですね。
エンターテイメントではありませんが、名作を見ておきたい方に、オススメ致します。
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