ジェニー・ポップルウェル Netflix
2018年8月13日昨夜遅く家にシャナン・ワッツを送り届けた友人が、翌朝、彼女の不在を不審に思って警察に電話するところから事件が始まります。シャナン・ワッツは結婚していて、夫と2人の娘がいるのですが、電話にもメールにも家の呼び鈴にも反応が無く、しかも彼女の車は家に止まっています。彼女は何処へ消えたのか?事件なのか?家出なのか?と言いつつ、タイトルで既に分かりますよね・・・というドキュメンタリーです。事件発生当時の防犯カメラ映像やSNSや警察の捜査映像だけで出来上がっているのが、特徴です。
で、犯人はかなり初期の段階で分かります。しかし、この作品はドキュメンタリーですので、犯人捜しのミステリーではありません。どちらかというと、生の、その時の、人物の顔や、行動が、当時のままだ、という事実性に尽きると思います。
私は隣家の映像が出てくる12~3分で犯人が分かっちゃいましたが、その辺から、顔の表情に注目しました。で、何とも言えず、とても思考がぐるぐる回りはじめます。
ネタバレは致しませんが、個人的には、とても悲哀を感じる作品。何と言えばよいか、凄く言葉を選びますけれど、非モテのルサンチマンの根深さ、家族になじられる悲惨さ、大変ヘヴィだと思います、特にこの人の場合は、という事ですけれど。
アメリカン、となっていますけれど、日本でも全然同じである事が、統計からも読み取れます。
実録、に興味のある方にオススメ致します。
しかし、それにしても、この被害者女性の、幸せへの強迫観念にも似た、こうあるべき、という信念の強さは、当たり前でしょうけれど、凄くアメリカンな感じもします。殺人行為を庇う事は出来ませんし、判決に際して裁判官の言う「私が関わった事件で最も酷い」はその通りだと思います。
女性が良く言う、男性はいくつになっても子供を持てる、という言葉は、確かにその通りかも知れません。しかし、その可能性を抱えたまま、行為には及べないまま、年を取る事の苦しみに対する理解はかなり少なく感じます。70歳でも性的交渉を持てるかもしれないが、子供を産むのは女性であり、妊娠可能な年齢の女性と、つまり40歳くらい年齢が若い女性と性的交渉を持つ事が出来る男性が世の中に何人くらいいるものなのでしょうか?また、それが善き事とは思えないのも、考えさせられます。
警察は優秀だと思いました。ウソ発見器を操る方の言葉巧みさ、誘導尋問の上手さは説得力がありました。
私の住む日本でも殺人事件は、およそ家族間で行われているし、殺害されるのは女性が多く、殺害するのは男性です。
宮台真司先生の言う『男性は世界を変えたがり、女性は自分を変えたい』という名言は、ここでも立証されていると思います。
ドキュメンタリーは嘘をつくわけですけれど、それでも、何故殺jン行為まで進んでしまうのか?が気になる方にオススメ致します。
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