井の頭歯科

「霧の中の少女」を見ました

2020年12月16日 (水) 09:12

ドナート・カッリージ監督     原作・脚本 ドナート・カッリージ     キノフィルムズ

2020年見逃し後追い作品 その2

予告編の雰囲気が、凄く良かったので・・・しかしこれがこんなに後悔する事になろうとは・・・今の所ぶっちぎりの今年ワースト1。昨年のワースト「サマー・オブ・84」(の感想は こちら )を観た時は、世の中にはたくさんの映画があるけれど、そうそうこのような低レベルの作品は出会えないだろうと思っていましたが、今年も出会ってしまいました・・・まぁよくここまで!という作品です・・・あくまで個人の感想です。

ジャン・レノさんが出演しています。この映画について、どう思ってるんだろう・・・

深夜に電話で起こされる男が向かった先は病院。男はそこで記憶喪失に陥った有名警部に真相を聞き出す役目を与えられた精神科医(ジャン・レノ)でした。有名警部の服には血痕があり・・・というのが冒頭なんですけれど、本当に、ヒドイ思わせぶりですよね・・・文章にすると如何にオカシイか?を実感させられます。

あんまりなんで、もう少し続けますと、

イタリア語圏、さびれた寒村アヴェショー。クリスマスまであと幾日というある日、敬虔な信者で育つ少女アンナ・ルーが失踪します。家出として片づけられそうになる中、マスコミを使った捜査を行うヴォーゲルは、早速捜査に着手します・・・くらいでしょうか・・・

ネタバレ無しで、欠点を列挙します。

1  思わせぶり
2  あまりに突飛
3  辻褄が合わない
4  びっくりさせる、為だけの設定

という事の連続なんです・・・私は辻褄が合わない、というのが1番イライラします・・・こう考えれば、とかこういう順序なら、とか少しでも余地があれば、受け手の想像に任せる部分があってもイイです。

しかし、この映画の中には、そういう余地もなければ、辻褄を合わせよう、という努力が感じられません・・・

どうしてこの映画を公開する気になったのか、私には驚愕の出来事です。何故誰も止められなかったのでしょうか・・・

基本的に誰にもオススメ出来ませんが、映画の脚本を学ぶ人に、失敗作とはこういうことだ、という例として観るべき作品だと思います。

アテンション・プリーズ!この後ネタバレの感想です、未見の方はご注意下さいませ。

・・・誰かこの映画の良い部分を教えて欲しいです・・・

色々あり過ぎるので、ポイントを絞れませんが、とにかく、捜査が雑。ヴォーゲルはなんでも単独行動ですし、日記が2つあるのは何故?頭が変なおばさん(ちょっと言い過ぎました、妄想癖のある収集家のおばさんくらいに留めるべきでした)の説明で、なんで連続殺人って納得出来るんでしょうか?30年前の事件なんですよね?なんの物的証拠もないんですよ?

それに、何故このおばさんの住所を犯人が知ってるんでしょうか?ご都合展開過ぎませんか?しかもこのオバサンの説を補強する実際の証拠が何にもないんですよ?しかも被害者の年齢が14~16、赤毛、そばかすあり、っていうそれだけなんです。しかも被疑者マルティーニは遠くに住んでたから犯人じゃない、なんてそんなの理由になりませんよ、自動車で移動できるでしょう?

しかも、わざわざ頭のオカシイ記者に証拠を郵送、しかもその日記にはさまれている写真の場所をどうやって特定したのか、全然分かりません。めちゃくちゃ怪しすぎるその十字架のある盛り土がされた場所をなんですけれど、場所を特定出来そうな俯瞰した写真ではないんです・・・

でもすぐに見つけて、そしてさっさと1人で掘り返し始めるヴォーゲルに、出てくるのがビデオテープです、30年前だからビデオテープなんでしょうけれど、古いですそのセンス・・・

そしてこのビデオテープに映ってる場所が、何で差し押さえられた誰も寄り付かない古いホテルの1室だって分かるのも意味不明なんです・・・全然殺風景でホテルっぽくないんです・・・もちろん全国にホテルは何千となくあるでしょうけれど、ここだと言える根拠が全くないんです・・・しかも部屋の中しか映ってないんですよ・・・分かった、これは超能力者なんだ!!

そして警察は今までどうしてそんな人の寄り付かないホテルを1度も調べてないんでしょうね・・・普通最初に調べに行ってもイイくらいの場所ですよね・・・

さらにヴォーゲル警部はたくさん部屋があるそのホテルの犯行現場である1室をいきなり特定してるんです、本当に直接まっすぐにその部屋に向かいます。多分超能力持ってるので何の不思議もないです。

でも超能力を持ってるなら、最初に犯人を逮捕して欲しいですね。

ここで突然、証拠隠滅と決めつけるスクープを取るために、隣り部屋からいきなりマスコミ殺到します!!!!マスコミ関係者まで超能力者がいました!!!!!!

このマスコミは何を観てここにたどり着いたのか、全然謎なんです。警部の後を追いかけてきた、は無理なんです、ちゃんと前もって潜んでいないと、隣りの部屋から飛び出す事出来ないですから。なにしろ待ち伏せてるんですからね。ここにも高能力者がいますね。

もうね、ご都合主義にもほどがあるぞ! で、犯人はマルティーニなのかと思いきや、ラストに精神科医が犯人でしたって  雰囲気  を髪の毛だけで演出!もう意味分かりません。心臓発作を起こした山奥の川辺で、周囲に人いないんなら、その人は死んでしまいます、そんな都合よく治りませんよ・・・だからこの精神科医は既に死人なんだと思います、だから、全部死人の妄想、もしくは超能力者の人、先の読める人に向けた、絶対に展開が読めない超能力展開を求めている人に向けた映画なのだと思います。

ここまで雰囲気だけで映画化、しかもそれを誰も指摘しなかったんでしょうか?????本当に謎は深まるばかりです。

そしてこの映画を褒めてる人がいるのも、衝撃的です・・・

https://realsound.jp/movie/2020/02/post-508514.html

宇野惟正さんのタイトル『驚くべき完成度とまさかの結末』と煽っていますが、確かに驚くべき完成度の低さ、とまさかのアリエナイ結末、確かにまさかの結末です。

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