今年もこんな季節になりました。2020年はコロナ禍の中で、一時は映画館も開けない状況になりましたが、それでも世界よりはずっと日本は平和だと思います。
ふと気が付くと、このブログをもう10年もやってる事に気が付きました・・・自分でもびっくり。
今年は映画館にはあまり行けませんでしたが、驚く事に人生の1年間で1番映画を観た年になりました、これはひとえにNetflixのおかげですね。今年公開作品は全部で38本うち劇場で観れたのは20本でした。今回ベストを決めるのに2本だけもう1度観てみました。で、やはり素晴らしい作品は何度見返してもいいな、と思いました。何度もの鑑賞に堪えられる作品はそう多くはありません。
過去作はなんと78本!ついに初めてだと思いますが、1年間に100本以上映画を観た事になります。まぁもっと見ている人も多いとは思いますけれど。
それと今年は50歳になったり、歯科医師会でも役職についたり、さらに院長にもなったり、忙しい中でこれだけ観れたのは本当に自分でもびっくりですが、それもNetflixのようなサービスのおかげです。
では、今年も勝手な私の好みの、勝手な順位です。順位をつける事に意味は無いんですけれど。でも、人の映画の順位を聞くと、自分でもやって見たくなりますからね。
第10位 『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』(の詳しい感想は こちら )です。
私はウディ・アレン監督作品とは相性が悪いです。今まで見てきた映画では、特に監督が主演をする、という行為が嫌いなんだと思います。ただ、この作品はかなり上手い、と思いました。まさに長年映画監督作品を撮り続けた人が到達できる高みにある技術の結晶のように感じました。そして、主演の2人の、まさに今しかない旬であり、美しさがあると思います。素晴らしかった。しかし、よく考えると、凄くギャツビーにとってご都合主義な脚本です、諦観を通した自己憐憫、だけで出来上がっている脚本が、凄くウディ・アレンっぽくて、私はココははっきり嫌いです、でも映画として上手い。
第9位 『ザ・ファイブ・ブラッズ』(の詳しい感想は こちら )です。
スパイク・リー監督の今の所の最新作ですけれど、最新作が常に最高傑作、という方だと思います。もちろんある種のマンネリズムもあったとは思いますけれど、常に怒りを感じていて、常に冷静で、そして観客に『お前は何を選択しているのだ?』と問いかけられる監督。この映画はNetflixでかかりましたけれど、映画館で観たかった作品です。
第8位 『ミッドサマー』(の詳しい感想は こちら )です。
果たしてこの映画はホラー作品なのだろうか?と考えてしまいます。私はどちらかと言えばそんなにホラー映画は好きじゃないんですけれど、この映画の志はめちゃくちゃ高いと感じました。でも、ちょっと、主人公の恋人であるクリスチャンが可哀想で・・・あまりに、あまりな展開だと思います・・・ラストも悲惨ですし・・・このラストの解釈で、良かったね、と言ってる人もいて、人って本当にいろいろな人がいるし、同じ作品を観ても全然違う事を考えたり感じたりするんだな、と改めて感じたのを覚えています。
第7位 『ジョジョラビット』(の詳しい感想は こちら )です。
確かに、ドイツ国内の話しなのに英語で喋ってたり、といろいろ批判があるのも分かりますけれど、でも、ジョジョくんの妄想内世界だから言語はなんでも良くない?とか、この世界観が好きになってしまうと、逆に細かい事は気にならなくなる凄くいい加減な人間である私なので、このランキングが凄くどうでもよくみえますけれど、私はとても好きな映画です。
第6位 『ハーフ・オブ・イット 面白いのはこれからだ』(の詳しい感想は こちら )です。
これも女性監督、というか、監督の性別なんて映画の価値に全然関係ないですよね!しかし、非常に変わった映画でしたけれど、まさに2020年の映画!と言う感じです、私にとって。だってどこにも行かないし何にもなれないんです、主要登場人物たちが。そして、今も昔も、映画の中でしかどうにもならない事も多いし、現実は大変厳しいと思います。生きているだけで丸儲け、という趣旨の発言をなさる方もいらっしゃいますが、私は生きているのはとても辛くて大変な事だと思っています。だから少しでも現実を忘れられる世界が好きなのかも知れません。
第5位 『屋根裏の殺人鬼 ホンカ』(の詳しい感想は こちら )です。
私はこの映画をホラーだとは考えられません。これは等しく男性が感じる事が出来る悲哀を描いた傑作だと思います。『男は何歳でも子供を産ませる事が出来る、しかし女には期限があるのだ』と言う言葉に私は欺瞞を感じています。確かにそうかもしれませんけれど、一生相手にもされない男だっていますし、女だっています。世の中は不条理に溢れていると思いますね。哀しい男、ホンカ。それを本気でそのまま再現したこの監督の、簡単に同情的でない、共感させない演出は、称賛に価すると思っています。
第4位 『燃ゆる女の肖像』(の詳しい感想は こちら )です。
この映画は本当に素晴らしい映画で、多分ずっと残る作品だと思います。映像的にも音楽的にも印象的で、完成度の高さが凄いです。なんか凄いと素晴らしいしか言ってない気がしてきました・・・しかし、本当に素晴らしい作品。年に1回か2回くらいしかない完成度の高さの作品。なんですけれど、4位になってしまいました。これは、私の好みの問題です。完成度の高い素晴らしい作品であっても数年に1本の映画もあれば、誰からも評価されなくとも好きな作品と言うモノもありますし。
第3位 『はちどり』(の詳しい感想は こちら )です。
これが長編デビュー作だなんて信じられません・・・驚愕の出来事だと思います。演じた役者も素晴らしかった。早く見なおしたい作品。そして何度見直しても、恐らく何度も新たな発見がある作品です。
第2位 『パラサイト 半地下の家族』(の詳しい感想は こちら )です。
これも何度見見たくなる映画です。つい最近も観なおしました。この映画の主役は、私にはあのお姉ちゃんなんですけれど、本当に面白くて素晴らしい作品。それと、アカデミー賞に興味なかったんですけれど、この作品がアカデミー賞作品賞を取る、という事はかなりアカデミー賞選考が変わったんだと思います。良い方向に変わったと思いますが、アカデミー賞云々じゃなく、この映画が素晴らしいのです。注目しているのはこの映画の女性陣です、次作が楽しみ。
第1位 『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』(の詳しい感想は こちら )です。
私にとっての2020年のベスト映画です。本当に楽しかったし、笑いましたし、ああ、テリー・ギリアムの映画を観てるんだなぁ、と映画館で思う事が出来ました。凄く幸せな瞬間でした。アダム・ドライバーも最高ですし、やたらと美男美女、それもテリー・ギリアムの好きそうな人がたくさん出てきて、ハチャメチャで、テリー・ギリアムの好きなモノが全部入ってる、という感じで最高でした。多分世間の評価とは全然違うと思いますが、私にはこれが1位で迷いはありませんでした。
2021年はどんな映画が観られるのか?今から楽しみです。
今年の診療は今日までになります、来年は1月4日から診療致します。
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