ヤスミン・アフマド監督 MOVIOLA
またまた×3くらいの感じで映画好きの友人の方のオススメしてくれた映画です。
人生初のマレーシアの映画です。マレーシア映画というだけでもう初めてづくしなんですけれど、恐らく、予算的には本当に小規模と言って良い作品ですし、何か大きな出来事が起こるわけでもありません。しかし、恐らく世界のどの国の、どんな文化や宗教で育ったとしても、心に響く作品。
ある学校に電気がついていく、これから何かが始まる、という予感に満ちたオープニングです。
何も情報を入れないでみてほしい傑作なんですけれど、1つだけ引っかかってしまいそうなので。私も意味がわからなかったので気になった点、タイトルのタレンタイム、というのはマレーシア英語の俗称で、学生の発表会、とでも言えば良いと思います。なんとなく日本英語化すると、タレントタイム、と言うことになると思います。
このハンドメイド感が全てを良い方向に持っていった感じの感覚はちょっと類似する映画を思いつく事が出来ません。
ただ、音楽の映画でもある、くらいはお伝えして良いかと思います。そして若者の群像劇です。
人は他者にはなれません、あくまで想像したり共感したりするだけだと思います。それは生まれて、死ぬまで続くのですが、その間さまざまな葛藤があると思います。しかし、時々、本当に稀に、言葉を介さずに、相手と同じ事を考えていると実感出来ることがあります。そんな瞬間を味合わせてくれる映画です。
何かのラジオで聴いた言葉です、映画には全然関係ないけれど思いだしたことです。
「遠距離恋愛中のカップルが、電話で遠い夜空の星、それも出来るだけ何億光年も離れた星を同時に見ることは、それぞれの離れた街から見上げている星の距離が遠ければ遠いほど、鋭角な二等辺三角形が出来上がり、2人の物理的な距離は変わらないけれど、相対的に二等辺三角形の底辺の距離は、概念として近づける」
といった話を思い出しました。自分でもなんでだろ?と思います。
好きなセリフは「何いってんだよ、俺の親友はお前じゃないか」です。
もし、まだマレーシア映画を観た事が無い人に、そして若者の群像劇、面白くないわけがありません。映画が好きな方にオススメ致します。
これが遺作なんて、悲しいです。そして次回はこの、遺作が悲しい、という映画の話しを、多分します。
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