フランシス・リー監督 ギャガ
2021年見逃し後追い作品 その5
1840年代(?)頃のイギリス・ライム。メアリー(ケイト・ウィンスレット)は古生物学者なのですが、この時代であるためか、女性であるためなのか?不明ですけれど、ほとんど評価がされていないために観光客相手に化石の標本を売って生活しています。そんなある日・・・というのが冒頭です。
えっと、すっごく「燃ゆる女の肖像」(の感想は こちら )に、似ています。そして残念ながら、明らかに「燃ゆる女の肖像」の方が完成度が高いです。いろいろな意味で。
で、どうやらメアリーは実在の人物のようです。なので、史実を基に、という部分もあるんでしょう。しかし、どうしてもよく分からないのは、メアリーの目的とか目標が、古生物学にあるのか?生活の向上なのか?もしくは愛なのか?全然判然としないんです・・・なので、史実を基にしているのが、どの辺なのか?余計に分からなくなってしまいました。
映画的な文脈もあるんだと思います、多分。この作品はそれが正直あまり感じられませんでした。もしかすると、分かる人にはわかるのかも知れません。私の無知のせいもかなりの部分あると思うのですが、なんか凄く人嫌いで割と近づけないようにしている割には、踏み込んで観たり、遠ざかって見たりが急過ぎる気がするんです。とても情緒不安定な人に見えます。
また相手となるシャーロット(演じているのはシアーシャ・ローナン)も鬱病者なんですけれど、都合の良い時だけ鬱状態だったりする感じがします。これは脚本の問題のような気がします、もしくは尺の問題なのかも知れません。
とにかく、あまりに「燃ゆる女の肖像」に似すぎていたのが凄く大きな問題だと思います、そして、これはいわゆる流行りなんだと思います。流行りになってしまっているので、必然性が、もしくは内なる発露みたいなものが希薄だと説得力が無くなってしまうのが流行りものだと思うので、その辺が足りない感じがしました。
「燃ゆる女の肖像」を見ていない人にオススメします。
コメントを残す