中江和仁監督 エイベックス・ピクチャーズ
漫画の「きのう何食べた?」が面白かったのと友人にDVDをお借りしたので観ました。
今、よしながふみさんがご自分で作品解説をされている本も気になっています。非常に緻密な構成と機微に富んだ作品で特に「大奥」と「愛すべき娘たち」は名作だと思います。なんというか、ここまで視座が広い漫画はあまりないのではないか?と思うのです。
そんなよしながさんの原作は料理をしたことがある人であれば(と言っても私はほとんど何も出来ませんが・・・)何かしら気になる漫画だと思います。一応BLという事になっていますけれど、どちらかというと関係性を描いた漫画であり、基本的に少女漫画でも女性漫画でも同じですけれど関係性の話しを描かせたら、男性向け漫画は及ばない部分が大きいと思います。
シロさん(西島秀俊)は弁護士で料理担当、ケンジ(内野聖陽)は後片付け担当の男性カップルの日常を描いた作品です。
凄く、ケンジが女性的なキャラクターなので、俳優さんは本当に凄いなと思います。シロさん役は多分どんな俳優さんでもそれなりの形になると思いますが、ケンジのキャスティングは大変難しいと思います。でも、もしかすると俳優さんであれば、どなたでも出来るのかも知れません、それぐらい俳優さんの凄さも感じつつ、ケンジのキャラキターがそうなのですが、やり過ぎにしないところが難しいと思います。オーバーアクションなキャラクターではあるんですけれど・・・
そして山本耕史さんがまた美味しいキャラクターを演じています・・・この俳優さんはなかなかに面白い演技をされますし、非常にインパクトのある役をたくさん演じていらっしゃいますね。それと田中美佐子さんも久しぶりに観た感覚です、自分の年齢を感じます・・・
あと許可局員としてはマキタスポーツさんの安定したおじさん感がたまりません。どういうキャラクターでもマキタスポーツにしてしまう威力があると思います。
あと、ここは私が個人的に好きなキャラクターなんで、非常に惜しいと思てしまったのが、スーパーの店員さんです。この店員さんはほぼセリフが無く、まさに言葉ではないコミュニケーションが描かれる場面なのですが、もっと枯れた感じの冷たい美人をキャスティングして欲しかった。明らかにクール、という感じがもっと欲しかったです。
漫画であればコマとコマの間でありますし、読者の想像の許す範囲、最も行間を読もうとすれば読める部分を映像化して繋ぐと、非常に難しい挑戦になるのだな、と思う部分は結構ありました。弁護士であっても超一流で見栄えが良い事ばかりではないタイプなのではないか?と推察するのですが、超×2くらいの職場なので、ちょっと違和感ありました。ケンジの職場についても、そう思います。
ワタルくんことジルベールの所作も、何と言いますか、飲み込みにくさを覚えるのですが、まぁその辺は漫画原作ですし。
レシピをちゃんとやるのも良かったですし、梶芽衣子さんがまた良かったです、ま、このお母さんに凄い問題があると思うんですけれど、シロさんは現実ではいないレベルの優しさの持ち主なんで、しょうがないですね。
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