ちょっと間が空きましたが、いろいろありまして・・・でもやっと落ち着きました。ので、映画観ました。
ロジャー・ミッシェル監督 ワーナー・ブラザーズ U-NEXT
やはり今年は絵画に特に興味が湧いた1年だったと思います。山田五郎さんの『オトナの教養講座』のおかげですね。
イギリスで起きた実際の事件を映画化した作品です。
1961年、イングランドのニューカッスルに住む老年期のケンプトン・バントン(ジム・ブロードベント)は戯曲を書いてはテレビ局に送り付けていますが、採用された事がありません。仕事はタクシー運転手なのですが、喋りが個性的過ぎて煙たがわれています。そんなある日、テレビ受信料を支払っていない為にBBC国営放送が見られなくなるかもしれない状況に置かれ・・・というのが冒頭です。
基本的にコメディー映画で、久しぶりに強い緊張とか集中がいらない作品でした。まず、この主役のバントンのキャラクターが面白いです。
一見誇大妄想家なのか?と疑ってしまいそうになるのですが、慈善活動家と考えていただけると分かりやすいと思います。喋り方、論法が非常に個性的で、これが若い方だと鼻につくと思いますが、老年期でやられると、チャーミングに見えるのが不思議です。
そして妻をヘレン・ミレンが演じているのですが、こちらははっきり、上手いです。もう安心感しかないくらいの上手さ、です。細かな手の動きや瞳の移ろいだけで、不安感や安堵感を出してくれます。
絵画の話しはあまり出てきませんけれど、法廷劇の面白さがあり、しかもコメディーですから、ゆったりした気持ちで観る事が出来ます。
基本的には妻に同情しながら観てしまいました、だってこの人遠くで観ている分には面白いのですが、家族だったら、凄く迷惑・・・
それと、弁護士役でマシュー・グートが出演しているのですが、この人は「THE OFFER」のパラマウントのロバート・エヴァンスを演じていた人なので、同じ人とは思えない、凄く理知的な感じで、役者さんって本当に凄い(毎回同じ事ばかり感じてしまうの申し訳ないのですが)と今回も思いました。思えば、このマシュー・グートさんを初めて認識したのは、ウディ・アレンの「マッチ・ポイント」のすっごくダメな兄貴であり、凄く懐かしいです。でも年を感じさせない爽やかさがありますね。
それと、息子役のフィン・ホワイトヘッドも好感持ちました。こういう家で育ったなら、こういう人になりそう、という感覚にさせる説得力を持たせていると思います。
イングランドのお国柄に興味がある方に、オススメ致します。
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