熊谷久虎監督 東寶映畫株式會社 DVD
1939年公開の映画です、つまり昭和14年です・・・多分、ですけれど、所謂日本の戦中映画を観るのは初めてだと思います。何しろ、監督とか製作とかじゃなく、最初に出てくるのは 後援・海軍省 です。
もう少し推察すると、恐らく、ですがプロパガンダ映画です。
で、そういう事を理解した上で観ても、かなり一面的な描き方なんです。ネタバレになるのであまり言えないのですが、本当に一面的。
ただ、一面的とはいえ、恐らく本当に当時の上海の、それも本物の戦場の跡地を、実際に映像で、観る事が出来ます。そして、後援・海軍省は伊達じゃなく、兵器については、まごう事無き本物に見えます。
映画として、技術とか演出とかもかなり斬新です。画角の凝り方はちょっと驚きました。演出もかなり良かったと言えます。
ただ、音声がかなり悪い状態で、それでも、国立映画アーカイブからの映像ですので、これ以上は望めないし、プロパガンダ映画ではありますが貴重な資料なので4K修復と課して欲しいですけれど、難しそうです。
プロパガンダ映画だと理解した上で、鑑賞するのは大変面白い体験でした。
主演は上海の租界(海外の地での、他国民の一定管理区域)を守る陸戦隊の奮闘を描いた作品です。かなりの激戦であったはずですし、映画の中の数字はちょっと聞き取りにくい上に、信用するわけにはいかないですけれど、まぁ少し調べれば分かりますけれど、かなり厳しい苦境に立たされた部隊の戦いを描いています。
主演の中隊長に大日方傳、初めて観る役者さんでしたが、抑えた上官の気迫、目の演技の凄み、部下からの信頼が篤い事が分かる配慮演出含めて良かったです。かなり豪快な方の様ですね。
とにかくロケーションが凄いです。一見の価値あり。そして当時の兵器のリアルさにも、一見の価値ありです。
あと、まさかの原節子!が出演しています。美人。ですけれど、かなり複雑な役。
これを素直に見た当時の人はどのような感想を持ったのか?知りたくなりました。
日中戦争に興味がある方に、オススメ致します。
コメントを残す