ロドリコ・ソロゴイェン監督 アンプラグド 吉祥寺アップリンク
タイトルでなんとなく観に行きました。
スペインのガリシア地方にフランスから移住してきたアントワーヌとオルガ夫妻はこの地で有機栽培の野菜を育て、そして古民家を改築しています。しかし、この地を風力発電の土地買収が始まっていて・・・というのが冒頭です。
この作品を観て思い出したのが、2023年最初の方で観たマーティン・マクドナー監督の「イニシェリン島の精霊」、サム・ペキンパー監督の「わらの犬」、何と言っても1番近いのが木下恵介監督の「死闘の伝説」です。どれも強い執着を感じさせる映画で、閉鎖的な田舎と都会の対比を見せます。
田舎と都会の対比、確かに恐ろしいですし、話し合いの通じなさ、徒労感を生み出します。論理的に話をしようとしても、糠に釘でカフカ的な迷路に迷い込み、お互いが、お互いを憎み合うようになっていきます・・・
田舎の人の、この田舎から抜け出せない狭い村に縛られたままの、だからこその疎外感、あると思います。全然共感は出来ないけれど、村の外を忌避するの、なんとなく理解出来る。
それでも、あるポイントを過ぎてしまえば、もうお互い負けを認める事が出来ない、相手を負かす事への執着になって、取り返しのつかない事が起きそうです。
執着、それは強い感情ですから、そこまで行ってしまうと、よほどの精神力が無いと、もう元に戻れないと思います。
出来るだけ執着の無い生活を心掛けたいのですが、もちろん良い方向に働く事もあるとは思います、それでも、何もかもを手に入れられるわけではないので、個人的には執着は無くしたい。
アントワーヌという都会人(この舞台のガリシア地方の村人から観たら・・・)で、論理的で話し合いで解決したい、ここまでは理解出来ます。
逆に村人の、この村しか知らない、という状況に置かれた人の考え方も、想像は出来ます、やりたいとは思わないけれど。
田舎には田舎にしかない苦労があるでしょうし、保守的だと思いますが、保守的な事全てが善き事とは思えませんし、進歩しない、改善しないのは、とても恐ろしい。
交わらなければ問題ないのでしょうけれど、この状況下はとても恐ろしいです。
映画はかなり射程の長い事象を扱っていますし、誰の、理想郷なのか?を考えるのが、とても面白い作品でした。
田舎が単純に、いい所だとは言えない、という実感がある人に、オススメ致します。
ここからはネタバレありの感想です。未見の方はご注意くださいませ。
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
コメントを残す