ピエル・パオロ・パゾリーニ監督 JANUS FILMS U-NEXT
2024年公開映画/2024年に観た映画 目標 36/100です。 現在は1/13
U-NEXTさんにあの、パゾリーニ監督作品が上がっているのを観たので。
私の初パゾリーニ映画は、中学生の頃に先輩の家で観た「ソドムの市」なのですが、よく分からな方上に、ちょっと凄い映画でして、正直全部覚えていません。なので初パゾリーニ作品とも言えます。その後、有名なマーケットでDVDの購入しようと思ったら、日本ではもう既に販売出来なくなったそうです・・・う~ん、映画ですよ?それもキリスト教圏ならいざ知らず・・・まぁ過激なのである程度は予想してましたけれど。
イタリアのとある工場長が、工場を労働者に譲った、というニュースの聞き込みをその工場の近くでメディアが聞き取りをしています。’’故に 神 荒野より 民を導きたまえり’’という字幕と共に樹木のない山肌を写しつつ・・・というのが冒頭です。
なんというか、不条理のように見える、解釈の開かれた作品。
登場人物にも、ほとんど名前が無いばかりか、何故?の説明もありません。でも、なんとなく、こういう事なのかな?と観た人のこれまでの映画、思想、哲学、神学に訴えかけてくる感じ。
それに絵画にもある程度の教養が求められる作品だと思います。
多分ですけれど、まぁフランシス・ベーコンの作品、という事は分かると思いますが、だからと言って、題名が分かるほどの教養が私に無いので、なんとも感想がふらふらのブレブレなんですけれど・・・
神学とか神話にある程度造詣がないと、解釈の幅がかなり広がり過ぎてしまうような気がしますけれど、これはイタリアの人、楽しめる作品なんでしょう。そう考えると、カトリックとかイタリアの素地が無い日本人には難しいかも。
とも思うし、凄く下世話に、魅力的な訪問者に人生が狂わされる単純なストーリィにも見えます。
その辺は、まさに観客である受け手の問題な気がします。
テレンス・スタンプの眼差し、そのセクシャルな魅力、この人じゃないと成立しない映画、と言う意味で凄いのですが、割合前半で退場してしまうので、そういう監督の思い切りも凄い。
妻役の人の化粧、なんか意味があるとも思えるのですが、化粧について、不勉強なために、細かなディティールの差が分かりません・・・でも、凄く強い、意志みたいなものを感じます。
弟や姉、夫の行動もさることながら、家政婦のパートのぶっ飛び方は、まるで「バクラウ 地図から消された村」を思い起こしました。
それと低く、うっすらと、モーツアルトのアレが流れているので、まぁそういう事だとは思いますけれど、凄く受け手が試されてる映画のような気がします。
最近、アリ・アスターの新作を観ましたが、難解だとか、眠いとか、冗長だとか、いろいろ言われていますけれど、まぁそういう事を言うと教養が無い事になってしまいます。別になくても良いけれど、あった方が人生が楽しいと思う。
それに、よく考えると凄く安部公房みがあるとも言える。
イタリア映画が好きな方にオススメ致します。
イタリア映画なんだから、特に、増村保造監督のパゾリーニ評が読みたい。この映画をどう評したのか?気になりますね。
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