井の頭歯科

「ルックバック」を観ました

2024年7月26日 (金) 09:40

 

押山清高監督     エイベックスピクチャーズ     吉祥寺アップリンク
2024年公開映画/2024年に観た映画  目標 36/100です。 現在は19/70
漫画は本当に素晴らしかったですし、その原作漫画はとても、とても映画的な表現をしていて(後に同じような読み切り長編「さよなら絵梨」は映画作品をさらにメタ構造にしている)これは映画化するだろうな、もっと言うと自分がやりたいと思う監督多いだろうなぁ、と思いました。ただし、非常にハードルは高い作品だと思います。なので、そこまでの期待をしないで行きました。
小学校4年生の藤野(河合優実)は学校新聞に4コマ漫画を掲載してもらっている漫画好きな少女なのですが、不登校の京本にも少しページを譲って欲しいと頼まれ・・・というのが冒頭です。
原作を読んで知っている人からしても、かなりハードルを上げて臨んだ人でも、満足されたのではないでしょうか。正直日本のアニメーションの技術はかなりの進化を遂げていますし、その事に受け手も慣らされてしまっているので、そう簡単には驚かないと思いましたが、かなり驚かされました。
まず非常に背景、それも美術的なレベルが高い。これは新海誠監督が持ち込んだ、リアルとは違うアニメーション内現実のリアルさとでも言いたくなるような、あくまでアニメーションなのに、現実に存在するのかも、と錯覚させるような再現度の高い、でもそれでいてアニメーションのキャラクターがその美術の中で動き回っても違和感を感じなくさせる、このすり合わせが素晴らしく、漫画で言えばやはり書き込みの多さと正確さの大友克洋先生が出て来てからずっと続いている感覚と同じですね。で、この作品はそれをさらに1段挙げている感覚があります。
日常の細かな動きまでも、さらに自然に感じさせるのです。頬を伝う涙の動き、鏡に反射する動き、日の光の逆光の明暗対比、今までも手垢のついた表現とも言えるレベルをさらに自然に近づけていると感じました。
これは昨年の「THE FIRST SLAM DUNK」の作画レベルと同等だと思います。つまり、作者が監督となって、細かな原画に修正を入れて、監督自らが納得の行くレベルで動画となって動いていたアニメーションのレベルと遜色ない出来栄えで、どのようにして作ったのか?全然ワカラナイです。1秒間に24枚の絵を必要とするという事は、まず1人の人間の書く絵では出来るわけがないと思うのですが、相当に絵の上手い人を、かなり厳選して選んでも、難しい事だと思うのですが・・・
ストーリィの改変はほぼ無いですし、逆にあったらまずいと思います。
いわゆるバディモノに入る事も出来る作品。この漫画は女子と女子の話しになっていますけれど、個人的には男子と男子だって、男子と女子だって、何の問題も無いと思います。
原作者は藤本タツキ先生で、この作品の中で主人公たちが使うペンネームが藤野キョウ、監事苗字+カタカナ名前、かなり思い入れある作品だと思います。
決定的に漫画とアニメーションで違うのは、音楽を入れられる事ですけれど、音楽も、環境音も、凄く自然で良かったですし、やり過ぎない感覚があって素晴らしかったです。
しかしどんどん、アニメーションの技術は進みますね。
で、声に、あの、河合優実が・・・この人出てる作品全て、非常にレベルが高い作品で、しかもかなりハードルの高い事を要求されているのに、それをクリアしているのが本当に凄い。旬ってあるとおもいますけれど、この人のここ数年の出演作は皆話題になっていますしかなり重要な役柄を演じていて、相当な実力、それだけでない何かを感じさせてくれますね。由宇子の天秤も凄かったですけれど、今作も素晴らしいです。
もう人にの吉田さんは全く知らなかったですけれど、自然に感じましたし方言大変だったか、地元の人なのかと思いました。
バディモノが好きな方にオススメ致します。
あ、あくまで好みの問題ですけれど、スタッフロールの最期にスタッフロールが止めるんですけれど、あれはそのまま流した方がセンスが感じられます、私には。止めるだけで主張を感じてしまう。

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