井の頭歯科

「ドライブアウェイ・ドールズ」を観ました

2024年8月13日 (火) 10:23

イーサン・コーエン監督     ユニバーサル focus    吉祥寺アップリンク
2024年公開映画/2024年に観た映画  目標 36/100です。 現在は22/76
あのコーエン兄弟の弟、イーサン・コーエンが単独で監督している、という事で観たくなりました。コーエン監督作品は、大好きですし、何と言っても、サスペンスコメディとか、ちょっと複雑な感情になる(クライムコメディとか、でもそこにひと匙、哀愁とかノスタルジーとか味変をいれてくる)映画を作り出し始めたのは、私にとってはこのコーエン兄弟監督作品が初めてでしたし、その後の映画界のある程度の潮流になったと感じています。シリアスなのに笑える、という感覚って凄く面白いと思ってます。
1999年フィラデルフィア。ジェイミー(マーガレット・クアリー)は恋人と・・・というのが冒頭です。
かなり人を選ぶコメディ作品です。かなり下品、と捉える事も可能な作品です。人によっては眉を顰め、中には怒り出す人も居るかも知れません。また、確かに気になる細部もありますし、欠点をいろいろ挙げる事も出来るでしょう。
しかし、これまでにコーエン兄弟監督作品の、ファーゴ、ビッグ・リボウスキ、を観ていて好きな方、好ましいと感じている方には是非のオススメです。
マーガレット・クアリー!えって!なりました。観ている最中、誰だこのティモシー・シャラメみのある役者は・・・となったのですが、え、あのOnce Upon a Time in… Hollywoodのプッシーキャット、The Nice Guysのアメリア、ついでにPoor Thingsのマーガレット・クアリー!ってなりました。全然違う人に見えた・・・これは化粧とか髪型とかもあると思いますし、そもそも私の目がHUSHIANAなんですけれど、それ以上に、演じる人の雰囲気が出せている感じがします。別人になりきれるのが、凄い。しかしこの役、演じてて楽しいだろうな。
何も知らないで観た方が絶対に面白い作品。
コーエン監督作品の中でも、ファーゴとビッグ・リボウスキが好きな方に、オススメします。
笑える、と言う意味では今年の中では断トツ1位。
そして、私の考える、インターステラ―、ダウン・サイジングに続く、マトデさんの最高なキャスティング作品でもあります。
アテンション・プリーズ!
ここからはネタバレありの感想ですので、未見の方はご注意を!
ネタバレあり、となると、確かに気になる点、あるにはあります。
なんで首が必要なのか?とか、手下の2人組頭悪すぎるとか、鼻を潰された男のその後は?とか、なんで1999年?とか、確かに気になる事もあろうかと思います。
この映画1本でびっくりされた方もいるとは思いますし、気になる、という人もいるでしょう。しかし細部はかなり作り込まれていますし、ロードムービーとしても、そして気になる人もいるかと思いますが、これが男性と女性だったらと考えれば、なんなら別によくある話しでよくある映画とも言えます。映画内の説得力、私はあると思います。だってコメディ作品なんです。
その上に、いいですか、イーサン・コーエン監督作品なんですよ。ファーゴをよりおバカにして、ビッグ・リボウスキをさらに悪ノリさせた映画。最高じゃないですか。
文脈で読めれば、テイストが合わなかったとしても、十分に楽しめる作品だと思います。
真面目に、丁寧に、そして手を抜かないで、下品や悪ふざけをするのは、私は上品な事だと思いますね。もし、普通の監督が、あるいは日本のインディーズで同じ題材を扱ったら、間違いなく目も当てられない作品になったであろう事は間違いないと思います。非常に簡単に、日和ったり、内輪受けになったり、批判を考慮して全方面に当たり障りない様に作られると思うと、絶対に笑えない上に、不愉快になったと思います。もちろん、日本のインディーズにも、ちゃんとした作品を撮れる監督もいらっしゃると思いますけれど、ここまで面白くはならなかったでしょうね。
あと、まとではこういう扱いでイイと思うし、本来の中身もそうだと思っている、個人的に。
ま、合わない人も居るとは思いますけれど、私は非常に笑いました。

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