アレックス・ガーランド監督 A24 toho新宿
2024年公開映画/2024年に観た映画 目標 36/100です。 現在は32/103
すみません、英語に詳しくないので普通にcivil warということは、内戦、と訳されると思いますし、アメリカで内戦といえば、南北戦争なんですけれど、まぁ、新しい内戦を指した言葉なんだろうと思います。
内戦を辞書で引くと多分、自国民同士の戦争、ということになると思います、私の認識では・・・つまり、非常に敵味方が判別しない、かなり苦しい状況と言えます。そんな状況に何故陥ってしまったのか?を知りたくなるのが普通だと思うのです。
ネタバレなしの感想なんで、あんまり言えることは無いのですが、すごく色々説明不足や、状況不足な上に、なんというか楽観的な、もっとはっきり言えばエンターテイメント性に溢れた作品。それを、不謹慎な作品と思うか?誠実な作品と思うか?は観客の判断に委ねられています・・・と言いたいけれど、委ねてるっていうよりも、放り投げている感覚。だってこれ映画だもんね、という制作側の薄っぺらなオプティミスな感覚が感じられて、だとすれば、もう少しタイトルを、とも思うけれど、つまり、ハレーションを起こして(今だと炎上商法的なことですね)観客に訴える感覚さえ織り込み済みな感じです。
もうこの辺でご理解いただけると思いますけれど、私は全然乗れなかったです。
もっとうまく脚本からして練られたと思いますし、音楽の使い方も、凄く違和感あります・・・
唯一良かったのは、赤メガネのシーン。
これをアメリカの人はどうみたんでしょうね・・・
細かい設定が気にならずに、勢いだけで映画はイイ、なんならエンタメ作品が最高!という人にオススメ、出来るかも微妙な感覚・・・
アテンション・プリーズ!
ここからはネタバレありの感想ですので、未見の方はご遠慮くださいませ。
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ネタバレありの感想としては、
まず何よりも状況について全く説明がないから、西部連合とかフロリダ勢力とか言われても、なんでそこまで?という理由は全く説明されない。そこにこそ重要な部分があると思うのですが・・・
しかも、大統領の声明が14ヶ月出されていない状況というのが理解に苦しみます・・・大統領サイドにも当然政治力や色々声明を使って何かしら打開しようとする試みが無いのは、ちょっと解せない。
この状況なら、世界的な混乱も当然あるはずなんだけど、それは1mmも描かれない・・・
というこの辺のことを、この映画が見せたいのはここじゃないんです、的な意味で飲み込んだとして(かなり譲った感覚ですけれどね)、ワシントンDCまでの道路が封鎖されてなくて、フリージャーナリストが入り込めるのも、違和感あるし、なんなら道中の街単独での統治が効いているのも、凄く納得しにくい。
いやだからこそな、1番この映画で緊張感のある、赤メガネの「どの種類のアメリカ人なのだ?」というシーンが作れるんでしょうけれど、その前の馬鹿騒ぎが余計に雑みとしてあって、上手くいってない気がします。
しかも、ラストショットが、大統領の骸の上で決めポーズで写真って、これはアブグレイブの一件を思い起こさせずにはいられないし、本当にどうかと思うということは、志が低くて、その状況を作る説明もないままに、エンターテイメントとして消費しようという感覚しか感じられなくて、全然乗れない。
おまけに、若いカメラマンである女性を助けて主人公は死んでいくってちょっとどうかと思うナルシズムを感じます。別に最後の戦闘のシーンじゃなくとも良いはずなんだけれど、なんか脚本が甘々。
私でさえ、車で脱出が時間稼ぎなのはすぐに分かるし、主人公たちにとっての重要シーンが映画的なクライマックスとして必要だったからじゃないか?と思ってしまい、その状況に至るシークエンスが下手すぎる。なので取ってつけた感覚になるのは仕方ないと思う。
音楽の使い方も、戦闘シーンを上げる感覚で使われていて、凄くヒロイック。能天気じゃないと、そんな簡単に音楽で乗れないと思いますし、本当に不謹慎で下品。
都合よく死んでくの見ると、ああ、この場面でこの人を殺しておけば御涙頂戴でいける、というキャラクターの配置を感じられて、お粗末。
なんでこれ作ろうとしたのか?全然意図が汲み取れない・・・
良かったのは、赤メガネの非人間性が高まってて、実際にこんな人いるのだろうか?と思うシーンと、車内でのアレを克明にとらえたシーンは、なかなか鮮明で良かったです(後部座席で新人女性カメラマンが、のシーン)。
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