ニコラス・ローグ監督 パラマウント U-NEXT
2024年公開映画/2024年に観た映画 目標 36/100です。 現在は44/119
原作はデュ・モーリアで既読です。凄く映画向きな短編。
今SOMPO美術館で行われているカナレットとヴェネツィアの輝きを観てきたのですが(もちろん山田五郎さんのオトナの教養講座の影響)、かなり大きな絵もあって面白かったです。そして、そのヴェネツィアが舞台の映画。
何と言ってもデュ・モーリアですからあの「レベッカ」(映画も原作も最高)を想像して頂ければ間違いないと思います。
イギリスに住むバクスター夫妻の子供姉と弟は庭で遊んでいるのですが・・・というのが冒頭です。
これは非常に上手い!
サスペンスであり、スリラーとも言えますが、かなり原作に忠実だと思います、読んだのがかなり昔なので・・・うる覚えですけれど。
スーパーナチュラルな存在とか現象ってその現象を調べられるか?再現性があるのか?に興味が集中しがちですけれど、映画原作ともに1970年代だと思いますが、この当時はその科学的検証よりも、その現象に遭遇した人々の受け取り方、受容の仕方が重要なのだと思います。
科学的に説明できなくても、なんなら錯覚とか勘違いだとして、それにどう意味を与えるのか?与えないのか?等の受容者側の心の問題とも言えます。
まず舞台であるヴェネツィアが美しく、ここに、赤という非常に強い色の効果と、どうしても血を連想させる部分があり、これも上手いです。
夫にドナルド・サザーランド、妻はジュリー・クリスティ。どちらも素晴らしい演技を見せてくれます。
ある夫婦に訪れた悲劇からの回復を描くまでが、当時の日常生活(ただしかなりアッパー)が見事に描かれていて、素晴らしいです。カットバックも斬新。音楽の使い方も上品です。
その後のミステリー仕立てがまた上手い。
上質な映画作品で、監督のニコラス・ローグさんは私は多分初見ですが、これからもう少し見ようと思います。
1970年代に興味のある方に、オススメします。
コメントを残す