井の頭歯科

「JOY 奇跡が生まれたとき」を観ました   Joy

2024年12月10日 (火) 08:58

ベン・テイラー監督     Netflix
2024年公開映画/2024年に観た映画  目標 36/100です。 現在は48/125
トーマシン・マッケンジーが出演しているので。
いわゆる試験管ベビー、体外受精の誕生に関わった研究者の実話の映画化です。
1968年5月 ケンブリッジ ある人物のモノローグで、体外受精の成功を記念してのプレートに、誰の名前を入れるのか?についてお願いをしているのですが・・・というのが冒頭です。
実話に基づく物語、と字幕でも入りますし、だとすると、どこまで本当なのか?凄く眉唾な感覚になり、身構えてしまいます。
まず、トーマシン・マッケンジーが美しい。もっと評価されても良い俳優の一人だと思いますが、所作も含めて、そして上品さがあり、少しだけのお茶目さが魅力になりうるキャラクター。もちろん、物語中盤くらいで明かされるとある事実はかなりキツイものなのですが、それを正面から受け止めるチカラもあります。
そしてビル・ナイがめちゃくちゃに魅力的な産科医を演じています。この人もサイコーにイイ。渋くて実力があり異端者でもあるけれど信念を曲げない。
さらに研究者のエドワース博士の3名が、体外受精を成功させる物語です。ゴールは決まっているのですが、なかなか考えさせられる、そして事実として知っていたけれど、キャラクターの切実な声として聴くその事実では、考えが変わる感覚がありました。
というのも、子供が欲しい、という欲求を私個人は1度も感じた事が無いままなので、この話題に興味が持てなかったですし、どちらかと言えば、それは調べたり、検査して原因を追究してまで、治療するべき事なのだろうか?と思っていたからです。
しかし、その考えは間違えていてることに、この映画を観た後に気付きました。選択出来る事が大切な訳です。同じ事をもやしもんでも言ってたな。
そう、選択出来る事が最も重要。そして困っている人が居るのであれば、それが医療的に届けられるようになれば、もっとより良い世界に近づく、と。
ただ、そんな単純な話しだけではないのは、すぐに理解出来ます。当然この医療という技術には、まだまだ未開の地が残されていますし、それこそ、私たちは既に障害の可能性のある存在の排除には手を染めていますし、整形という美醜を扱う分野もかなりグレーで、どこまでを可とするか?はその人によって違ったり、主義や宗教まで含む問題。
それでも、技術の進歩を止めるのは難しいでしょうし、ホモサピエンスの欲望には限りが無い。
その辺を鑑みても、それでも手段はあった方が良い。と今では考えるようになりました。
女性で子供を持てない人の疎外感は、なかなかにヘヴィーのようですし、それこそ科学が証明してこなかった近代以前の世界では、恐らく生死を分けた可能性さえあります、というか分けたでしょうね・・・
宗教的な判断が誤った事など、それこそ数限りなくありますし、進歩に関する事においては、余計に多くあったと思います。何しろ地動説を唱える事が無かったけれど、調べただけで嫌疑がかけられ、嫌疑がかけられればそれは、拷問を意味しますし、拷問からの解放とは、死か、罪を認めての死か、という同じ結果しかないからです。宗教の恐ろしさはいろいろありますけれど、まぁホモサピエンスのなせる業のような感覚があります。
というような事をつらつらと考えさせられるこの映画はなかなか面白いと思います。
生命について考えてみたい人にオススメします。

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