エドワード・ベルガー監督 キノフィルムズ キノシネマ新宿
2025年公開映画/2025年に観た映画 目標52/120 10/27
公開3日目だったので、物凄く混んでました・・・そしてかなりお金がかかってますね。本当の所はどうなのか?は別にしても、良く出来たミステリ映画。
良くは出来ているし、お金もかかっていて豪華ですし、知らない世界を知るというトリビアルな面白さも担保されているんですけれど、ミステリをある程度愛好していた期間がある人なら、ある程度は読めるし、何処かで見た話しの繋ぎ合わせた感覚は、あります。
前教皇が亡くなり、教皇を決める選挙Conclaveを管理する事になったローマ教皇庁の筆頭枢機卿であるトマス・ローレンス(レイフ・ファインズ)は・・・というのが冒頭です。
音響、凄く良いです。私は脚本よりも、演者よりも、この映画は音響が素晴らしかったと思います。かなり細かな吐息レベル、そして低い声、硬質な床と革靴の靴音、非常に大きく重い扉の施錠音や閉鎖音、これらが本当に美しくて重みや心地よさを感じさせてくれて良かったです。
役者だと主演のレイフ・ファインズさん、あの「シンドラーのリスト」の「アーモン・ゲートの人!って調べて分かったビックリしました。めちゃくちゃにたくさんの重要作品に出演していて、名優なんですね、全然詳しく調べた事無かった・・・やはり私の目はフシアナですね・・・この人の動作から生じる音全て良かったです。
かなりのおじさん、というよりはおじいさん映画です。あまり若い人は出てきません。
あと、全然気づかなかったけれど、イザベラ・ロッセリーニが出てくる!結構美味しい役どころでした。
脚本は確かに驚きに満ちているみたいな評価、どんでん返し凄い、と評価されるんでしょうけれど、そこまでじゃないと思います、理由はネタバレありの感想で。
しかしホモサピエンスって3人以上集まると派閥とか人事とかで急にいがみ合いやす苦なるの、全然進歩してないんですね・・・
カトリックの教皇って言ったら1番偉い人になるわけで、枢機卿って言ったらその教皇に次ぐ立場なのに、全然ホモサピエンスの悪い所が治らないの、仕方ないのかも・・・何しろカトリックという神の存在を信仰している人の団体であっても、これだけ派閥や離合参集していて、西と東に分かれて観たり、まぁそういう部分の負を含めてホモサピエンスの特性なんでしょうね。
そう言えば演者さんたちの語学力は凄かったです、英語、ポルトガル語、イタリア語、ラテン語、様々な言語で話されていて、主演の人はそのすべてをセリフで言ってて、本当に凄かった。
ホモサピエンスの負の要素を見て見たい人に、オススメします。
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で、ネタバレありの感想ですと
まず脚本がびっくりさせる為の要素が大きすぎる感じが作為を強く意識させられる構造になってて、もう少し捻りが欲しかったです。
何というか、途中からトマス・ローレンス枢機卿が、自身も候補であるにも拘らず、確かに管理する側なのに、いろいろ情報操作してしまっていて、流石に踏み込み過ぎな気がする辺りから、信用ならざる語り手、もあり得るな、と身構えてしまいましたし、なんならもうこの段階で、あ、前教皇の最期に呼んだモラレスになるんだな、となってしまいます。
特に、前教皇の部屋への侵入、女性へのパソコン供用の頼み方で、もうトマスが犯人でもいいかも?となってしまいました・・・いくら管理者だとしても、108名の投票者への情報供与に対して越権行為が過ぎる・・・しまいにはついに教皇名まで言い出して、あ、これでこの人の教皇になる事は無くなったな、というフリにしか感じられなくなってしまいました・・・
で、最後のネタが両性具有アンドロギュノスなのは面白いと思いましたが、これ、いかに未だに、全然全く平等ではないのが宗教の世界なのを気づかせてしまいますね。教皇だろうと別に性別関係ないと思うのですが、原理主義者は批判してくるんでしょう。
それに科学という再現可能な手段がある世界では信仰とか祈りって本当に難しい対応を迫られるでしょうね・・・そろそろホモサピエンスも宗教との関わり方を学ぶべきだとも思うのですが、ご本人がどう考えるか?は自由ですけれど、他者を引き込んだり、幼少期から刷り込ませるのは無しにして欲しいです。
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