マイケル・ラドフォード監督 ブエナ・ビスタ
あるイタリアの寂れた町で暮らす男マリオは父親の漁師の後を継がずにブラブラしていましたが、ふと目にした郵便局員のアルバイトを始めます。自転車さえ持っていれば構わない、という郵便局での仕事は、有名なチリの詩人であり、今は亡命してこのイタリアに住むパブロ・ネルーダに手紙を届けることでした。次第にパブロと親しくなっていくマリオが恋をして・・・というのが冒頭です。
偉大な詩人、パブロ・ネルーダを演じているのが、「ニューシネマ・パラダイス」のアルフレード、フィリップ・ノワレです。もちろん素晴らしいのですが、もっと光るのが主人公であるマリオを演じているマッシモ・トロイージで、枯れた中にも、叶わぬ願いにも、願わずにはいられないロマンチストを感じさせる演技で素晴らしいと思いました。ので、少し調べてみたら、なんとこの映画を撮り終わった直後に心臓病でお亡くなりになられていたようです。残念。
イタリアの田舎の漁村の風景と、『詩』という普段触れることの少ない、そぎ落としたギリギリの言葉を用いる文章とが絶妙に合っていると思います。マドンナ的存在のベアトリーチェの美しさも特筆に価すると思います。
イタリアの風景や詩が好きな方にオススメ致します。
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